環境気候学

環境気候学
2003 東京大学出版会
吉野正敏・福岡義隆 編


まえがきに,
“「環境気候学」と題したが,言いかえれば「風土学」でもある”
と記しているように,本書は人間と気候の関わりをさまざまな観点から記している.

つい忘れがちになっているけれども,私たちの生活が気候というものに大きく影響され,そしてその関わり方が実に多様であることに,あらためて気づかされる.

本書ではまず前提として,気候というのは絶えず変化していくものであることを,確認させられる.
有史以来その変化に対応してきたのは,我々人類だけでなく,地球上のあらゆる生命.

いまある生命は,その変化への対応の記録であり,そのメカニズムをさまざまな観点からひもといている.
しかし,最近その変化に対応し切れないさまざまな兆しもまた伝えている.

最新の研究では,モンスーンアジアこそが変化の最先端地であり,その変化は時差を持って全地球へ伝播していくとのこと.

そのモンスーンアジアに位置する日本.
ヒートアイランドなどは,もっとも顕著な気候変化であるが,そういった昨今の気候の変化の実態を人為的なものかどうかは別として伝えている.
その結果としての生態の変化.たとえば,現在の日本では,自然要因できまっている植生分布はほとんどなく,人間活動や擾乱要因の影響を受けた二次植生ばかりになっているという.

本書は,気候というものがどれだけ私たちの生活に影響しているのかをあらためて確認すると同時に,絶えず変化する気候の現在を知る一助になる.
これをきっかけに,人と自然の関わり方をあらためて考えていきたい・・・そう思わせる一冊でした.

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