カルト資本主義

カルト資本主義
2000/文春文庫 斎藤貴男

いかにもうさんくささが漂うアムウェイやヤマギシ会,EM菌だけでなく,こうも社会にオカルトチックな文化が蔓延しているのかと,読み進むに連れ気分が悪くなってくる感じがした.

誰も彼もが所詮は己の欲望のために,人の心を操りたがる・・・


なんとなく・・・
 西洋近代文明を否定し,その反動として熱烈にエコロジー(環境問題)に取り組む
なんとなく・・・
 個人を軽視し,みんながうまくいくことを願う
なんとなく・・・
 日本的といわれる情緒,感覚を好む

そしてどこか・・・
 普通の人よりも,自分が優れている部分:エリート意識をもとめ
そしてどこか・・・
 ポジティブシンキングなどの生活信条であるはずのものを,社会の真理とし
そしてどこか・・・
 経済的に満たされることを肯定し
そしてどこか・・・
 偉い人・有名な人のいうことを鵜呑みにし
そしてどこか・・・
 日本こそ優れていると思いたがる.

こういう土壌が,社会にある.
この土壌の上では,ニューサイエンスが,ニューエイジがよく育つ.
よく育ったものたちは,いつしか集団化していく.

よく集団化されたものは,操りやすい.
この操りやすさを,企業が求め,この土壌を利用したがる.

そうしていつしか,カルト化していく.
この図式が蔓延している.この図式を利用したがる人たちが大勢いる.

終章で著者は,高校の教科書にある一文を載せまとめている.
<・・・このことは,現実的にはしいたげらえた庶民の忍従を正当化するもので,結局は前述の理想に反して専制君主の支配を容認することになる>と.


 取材をもとに,多くの事象・多くの人々の証言の中からうかびあがるものをまとめているものなので,若干読みにくい部分もある.各章もやや間延びする感じもする.しかし,対象が対象名だけにそれも仕方のないものでしょう.
 むしろ,その努力ー書く側も・読む側もーの果てに見えてくるこの社会の一面は,必ず頭の中にとどめておきたいものである.自分できちんと考え・判断していくためにも.


 

 




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