海外留学の理想と現実

知っておきたい!海外留学の理想と現実
2005/岩波書店 浅井宏純



留学を通して語られる日本人の30年間の教育観・道徳観の変遷を示した本だといっていい.



まだ留学が身近ではなかった1970年代から留学コンサルタンツ会社に勤め,
約30年にわたって,様々な留学生を見続けてきた著者.

30年という月日は,さまざまな時代の変化をもたらすが,“留学”においても例外ではなかったことを第一章で述べている.
当初,高嶺の花だった留学は,一部のエリートもしくは冒険的なものとして捉えられてきたが,いくつかの流行期を向かえ,いまや日常レベルになってきた留学.

こういった変化は,なにより留学する学生とその親に大きな変化をもたらした.

留学しさえすれば・・・
国際的になる,英語が上達する,コミュニケーション能力がつく,甘えがなおるといった過剰の期待.


将来成りたい自分を演出するための手段であるはずの留学が,いまや目的となっている多くの事例.昨今増える留学の失敗の原因がここにあると本書はいう.


トラブルの数々の事例を読んでいると,学生(親)自身の中身が変わらなければ,国を変えても,何も改善されない,結局いっしょなのであることを痛感する.


でも,著者は,それでも留学して欲しいという.
そういった挫折も含めた,失敗の経験をするだけでも価値があると.
“留学とはお金を出して,苦労を買いに行くもの“だと.


ここにあげられる失敗の事例をよく吟味しながら,
これから留学する人は,あらためて留学の目的を明確にするために
身内・知人に留学しようとする人がいる場合は,留学というチャンスを捉え直すために,読んでもらいたい本だと思いました.





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