「甘え」の構造

「甘え」の構造 [新装版]
1971/弘文堂 土居健郎著



まずはじめに言葉ありき.
精神科の臨床医であった著者が,言語の中に見られる「甘え」というもの,とくに日本独特の感覚に着目し,その言葉の奥に潜む人々の心理を丹念に読み解こうとしている.

時代は,約30年前,大学紛争の終盤.
敗戦の記憶が生々しく残り,かつ若者達がそれまでの社会で経験したことのない行動をおこし,まさに世の中が騒然としていた頃に書かれていることが,より興味を引き立たせる.

著者はそういう社会を見て,「甘え」という観点からこう言うのだ.
・現代は動乱と危機の時代だ.
・自分がない.
・甘えの充満している時代である.
・子どものような大人が増えてきている.云々.

繰り返すが,これが30年前に書かれていることが興味深い.

「言葉」を頼りに論を展開している為,やや説得力に欠ける点が気になりはするが,日本という社会を「甘え」という切り口でなんとか切って見せようとしている.そして,確かにその輪郭がなんとなく見えてくる.

最近の若者は・・・なんて嘆く前に,この本を一読するとまた違ったものが見えてくるかも知れません.



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