環境リスク学―不安の海の羅針盤

環境リスク学―不安の海の羅針盤
2004/日本評論社 中西準子


副題の「不安の海の羅針盤」は,的を得てますね.

環境問題は,明日にでも地球が人類が破滅してしまうかのように吹聴されることがしばしばある.でも,一方で大変なことが人知れず進行していることも多々ある.

本書は,水質問題を皮切りに,日本における様々な環境問題に対峙してきた中西氏が,リスクとの上手な対峙の仕方を科学としてまとめ「環境リスク学」へと昇華させたものである.

第1部には中西氏の最終講義の内容が納めれられている.
これはとても衝撃的だ.ときに企業や行政にとって不都合な事実を突き詰めてしまう環境研究の難しさを,ひしひしと感じることができる.職業としての科学者のあり方を考え直してみたくなる章である.

他の章では,近年騒がれた,もしくは現在も騒がれているBSEや環境ホルモンなどについて,私たちはどう考えるべきなのかを,とてもわかりやすく書いている.
これらを読むと私たちは,多様なリスクの中で生きているということと同時に,さまざまな理由で不安にさせられていることを理解することができる.

そんな不安の中,自分できちんと評価して生きていくためには「自分だけの羅針盤」が必要だ.
その精度をあげるためにはこの本は,とても役に立つことでしょう.

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