文明の中の水

文明の中の水―人類最大の資源をめぐる一万年史
2004/新評論 湯浅赳男



人類と水との関係を,地政学的・歴史学的な立場から見つめている.
文明の成立との関係における水,すなわち食糧生産のための水の利用から始まり,都市システムの構築にあたっての飲料水としての水(上水)へ.それと同時に老廃物を都市から追いやるための下水システムと都市の成立の歴史を読み解いている.

ただし,こういった記述は多くの類書にも散見する.
この本ではさらに,アメニティとしての水やエネルギーとしての水にも言及していて幅広い.とにかく人間と関わる水の様を古代から現代に至るまでくまなく記述している.

そういう意味ではかなり意欲的ではあるけれども,後半になるに連れ本書のねらいがぼけてくる感じが否めない.

人類と水との関わりの深さはよくわかった.で,何を言おうとしているのか・・・残念ながら私には著者の意図をつかみきれなかった.

しかし,それぞれの水の利用の歴史についてはよく調べられ,整理されているので資料としてはとても有益なものになっている.
とくに前半第1章から第4章までの記述は,まさに文明の中で水がどう振る舞ってきたか,というより水により文明がどう発展・制約されてきたのかがよくわかった.

やや玄人向けではあるものの,水と人間との関わりを考え直すきっかけになる本だと思います.




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