地球環境報告

地球環境報告
1988/岩波新書 石弘之 著


約20年前に地球環境問題,とくに人口の問題から砂漠化や農業問題などをわかりやすく解説し,世に知らしめたといっても良い本.もはや環境問題の古典かもしれませんね.

学生の頃読んだのですが,あらためて読み直してみました.

あれから20年.問題の本質はほとんど変わってないんだなと感じました.
ただ,この当時は急激な人口増加と南北問題を背景とする食糧危機への危惧がかなり強かったのですね.アフリカ諸国とくにエチオピアにおける飢饉の印象が相当に強かったためでしょう.なので砂漠化や土壌浸食による耕地面積の減少が主要な関心事項になっています.

これ以外に印象的だったのは,六章の「増える災害の犠牲者」で語られていること.
好感を覚えるのは,「災害」の質の違いをきちんと考察していること.
多発する気象災害とそれによる犠牲者の増大の主要な要因を気象条件の変化によるものではなく,人口増加と土地の不足によって引き起こされた「人災」だと結論づけている点です.
さて,もし今同じ章をこの著者が執筆したとするとどのように書くのか?
くしくも本書が出版された1988年にはじめて「温暖化」という問題が浮上.たぶん今ならきっと,地球温暖化によって災害が増えていると結論づけるのではないか.そんな気がします.体の良いラベルが登場する前だったからより深く考察されているのかも知れません.

本書をあらためて読んで,「地球環境」問題も時代背景が変わると問題も変わるんだなっという,本筋とは違う部分に妙な印象を持ちました.
たまには古典に帰るのも良いかも知れませんね.

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