読む力・聴く力

読む力・聴く力
2006/岩波書店 河合隼雄・立花隆・谷川俊太郎




カウンセラーとして人の話を聞くプロ:河合隼雄.
記者として言葉を書くプロでありながら,膨大な読書で情報を仕入れる読むプロ:立花隆.
そして言葉の奥にあるものを行間に込める言葉のプロ:谷川俊太郎.

この三人のプロの「読む」「聴く」に関する講演・座談会をまとめたのがこの本です.

面白いと私が感じたのは座談会での三人の振る舞いでした.河合氏は立花氏・谷川氏にうまく話を振る場面が多く,その一方で立花氏はどんどんと喋る.話題に共通するものをどんどん引き出しから出してくる.そして谷川氏は二人に比べて言葉少なでいて,もっぱら河合氏とのやりとりが多いということ.それぞれの役所が如実に表れていますね.

他にも興味深いトピックスがいろいろ出てきますが,一つあげると立花氏が触れたインプットとアウトプットの比,すなわちIO比の話.IO比が高ければ高いほど,つまり材料をたくさん入れて少し出すと,その圧縮比が高いほど,情報がたくさんつまった良いモノが書けるのだという.だいたい百対一ぐらいIO比がないとちゃんとしたものが書けないと.

こういった情報を得るための読書の大切さは他でも良く説かれます.
でも,この本では「聴く」ことの大切さも同等に扱われています.

河合氏は言います.いま私たちは人の話を聞いているようだけど,じつはとことん人の話を聞くということが少なくなってきていると.どこか途中で話を折ってしまう.そういうことが多々ある.そうでなくて,とにかくただただ聴く.で,聴いたことをについては考えない.とにかくぼーっと聴く.これこそが「聴く」ということ.
私たちはもっと聴く態度を深めることが大切なんだと.

座談会をまとめたものなので全体としては,発散というかあちこちにテーマが飛びますが,それぞれでひょこっと顔を出すトピックはどれも興味深いものだと思います.

まずさわりとして,「読む」こと「聴く」ことを考えるにはいいのかもしれません.


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    Excerpt: 生きているということ、いま生きているということ、それはのどがかわくということ、木もれ日がまぶしいという・・・ Weblog: 名言 格言 racked: 2006-12-01 11:30