情緒と創造

情緒と創造
2002/講談社 岡潔



読みながら既視感をとても感じる本でした.
はて?どこで見たんだろうと思っていたんですが,ようやくわかりました.
同じ数学者である藤原正彦氏が描いた「国家の品格」の中で,「情緒」を説く章で引用していたのが,この岡潔氏だったんですね.

「私の数学は,情緒を数学という形に表現したもの」といっていたという岡氏.


彼の文章を読んでいて,独特の響きを持つ言葉を巧みに操る方だなぁっという印象を持ちました.たとえばこんな表現.
「自然を普通に見ますと単に自然が見えるだけです.しかし,仔細に見ますといちいちいかにもふしぎなのです.」
こんな表現から,まさしく情緒を感じることができるんです.

仏教に傾倒しすぎていること.
同じ体験,思いを繰り返し語ること.こういったところが正直やや目障りかもしれませんが,ここに描かれていることは論理的に思索を繰り返したのちに残ったまっすぐな道だったんでしょうね.きっと.だから,確信を持って何度も繰り返す.
30~40年も前に日本の世の乱れを見抜き,教育の行く末を案じながらも情緒の大切さを説き続けていたことを思うと感銘を受けます.岡潔が憂いた教育を受けてきた私たちは,彼の目にはどのように写るのでしょうね.今一度彼の言葉を聞いてみたい,そんなことを感じる本でした.






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