ローマ人の物語27 すべての道はローマに通ず[上]

ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉
2006/新潮文庫 塩野七生


まずこういうインフラ(社会資本)に関する本を手軽に文庫で読めることを素直に喜びたい.
冒頭に著者が記しているようにインフラを記述するのはとても難しい.また専門的になるので読者は限られ,高価になりがちである.それを「ローマ人の物語」の一編として書き上げてくれた塩野氏に感謝したい.

上巻では,古代ローマにおける道路とそれにつながる橋がどのように建設され整備されていったのかが示されている.
まず,カラーで示されている地図に描かれた道路網に驚く.綺麗な挿絵で示されている道路の様子を見るとさらに驚く.紀元前にこれほどまでの道路が造られていたこと.しかもそれがローマ帝国全土にくまなく作られたこと.主要な都市間には一定間隔で飲食所や馬交換所まで作られている.

橋についてもそう.掲載されている挿絵や模型写真をみるだけで,その技術の高さ,それを全土に建設していたこと,それらの幾つかが未だに残り,使用されていることにとにかく驚く.

古代ローマ人はなぜこんなにまで道路や橋を整備したのか.
それは平和な国をつくるため.すべては人が「人間らしい生活をおくるために」.その理想を支える大事な柱がインフラだったと本書は語っています.

とかくマイナスイメージを持たれがちな土木事業.荒波の中で忘れがちになっているその根底にあるはずの理念を思い出させてくれる本だと思います.

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