文明の生態史観

文明の生態史観
1974/中公文庫 梅棹忠夫




1955年に発表された梅棹氏の文明論「生態史観」にまつわる初期の論文を収めた本.

発表から半世紀たってるにもかかわらず,この文明論はまったく色あせていないことにとにかく驚きます.
文明論など私にはあまり馴染みがありませんが,梅棹氏のその論理的で慎重な展開には共感を覚えます.また十分に反証可能性を残しているという点に関してもある種科学的で,健全な文明論が展開されているのでないかと感じます.

本書のタイトル章である「文明の生態史観」がもっとも面白いのですが,この反証可能性という観点から行くと「生態史観から見た日本」という章もまた面白い.氏の文明論に対してわき起こった各界からの批判等に対する反論というか,その違和感を述べているのですが,しだいにそれは日本の知識人の偏向性に対する痛烈な批判にもなっています.これは50年たった今でもある種共通するものを感じます.

文化人類学,文明論等の中で本書がどういう位置づけであるのかはうかがい知れませんが,一理系人からみてもとても興味深いこの論は,世界に対する私の見方の新しい視点を与えてくれる本でした.

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