大学の授業を変える16章
1994/大月書店 淺野誠
大学の授業でもこんな工夫ができるのか!っという軽いショックを受けました.
大学の授業はいわゆる講義形式の,言うなれば講演会の連続.
聴衆(学生)の関心度にお構いなく,学の系譜や教員の最大の関心事項が話されていくという印象が強いでしょう.そこには「教員が興味を持つ事柄=(イコール)学生が興味を持つだろう事柄」という暗黙の了解があります.
しかし,そんな教員には都合の良い暗黙の了解は実際には存在せず,繰り返される90分間の講義を通した様々な弊害がもたらされています.
本書は,そういった旧来の大学の講義を批判しつつ,流れのある活き活きとした授業の作り方を具体的に提案しています.
ポイントは授業外の学生の学習をいかに促すか.
ここを焦点とした授業の流れ,授業ノートの作り方,資料のあり方などが紹介されています.
ただ紹介されている実践方法は,教育学部の学生を対象としたものなので,理系学生の授業にはちょっと利用できないところが,イタイところですかね.
それでも,類書に比べて具体的にいろいろ紹介されているので,読みながらいろんな授業のアイデアが浮かび上がってきました.
今年はこの本を手元に置いて,私の授業をいろいろ工夫していきたいと思っています.