海辺のカフカ(上)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)
2005/新潮文庫 村上春樹



自分自身だけが世界の中心だった子ども時代から,自分の外側に広がっている世界の広さを初めて自覚し,その世界と自分との関係性の距離感を模索し始めるころ.田村カフカは,自分に課せられた予言を振り払うために旅に出る.
いや,振り払うためではなく,予言を実行するためであったのかもしれない.

それは自分自身と世界との関係に折り合いをつけるためには,どうしても避けられないこと.自分と世界との折り合いの付け方は人それぞれ.なかには折り合いをつけないままに生きていく人もいる.
こういう時期に出会う人は,その後の人生に多大なる影響を与える.

上巻では田村カフカに影響を与えそうな人々が登場する.
それぞれの世界との折り合いの付け方を携えながら.

印象的だったのは大島さんの言葉でした.

「・・・ただね,僕が・・更にうんざりさせられるのは,想像力を欠いた人々だ.・・・その想像力の欠如した部分を,うつろな部分を,無感覚な藁くずで埋めて塞いでいるくせに,自分ではそのことに気づかないで表を歩きまわっている人間だ.そしてその無感覚さを,空疎な言葉を並べて,他人に無理に押しつけようとする人間だ・・」

私の持ってる感覚と非常に近いなって思いました.



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