海辺のカフカ(下)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)
2005/新潮文庫 村上春樹



現在の自分と世界との間にある微妙な違和感.
それにどうにか折り合いをつけようとするこの小説の感覚は,まさしく私に「カフカ」を連想させました.とくにナカタさんの存在と,その後の行動はまさしく「カフカ」.サエキさんの歌は,カフカの小説の題名を冠したあの歌を連想させました.

そんな世界の案内役は,やっぱり大島さんだったのでしょうか.

「何かを経験し,それによって僕らの中で何かが起こります.化学作用のようなものですね.そしてそのあと僕らは自分自身を点検し,そこにあるすべての目盛りが一段階上にあがっていることを知ります.自分の世界がひとまわり広がっていることに.・・・」


私の好きなくだりはコレでした.
「僕らはみんな,いろんな大事なものをうしないつづける」,・・・
「大事な機会や可能性や,取り返しのつかない感情.それが生きることのひとつの意味だ.でも僕らの頭の中には,たぶん頭の中だと思うんだけど,そういうものを記憶としてとどめておくための小さな部屋がある.・・・言い換えるなら,君は永遠に自分自身の図書館の中で生きていくことになる.」

さて,私はきちんと自分の図書館を管理できているだろうか?
そんなことをこの小説を読んで感じました.




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