もてない男 恋愛論を超えて

もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)
1999/ちくま新書 小谷野敦




予想に反して(?),かなりおもしろく,興味深いエッセイ(著者が言うには)でした.
「恋愛」という人の営み(のようなもの)を,「もてない男」という視点で見るこの本は,これまでの恋愛に関する本の中でもとくに異質で,新鮮な見解を多く得ることができたと思います.

とくに興味深いなと思ったのは,恋愛は人間性を高める云々という昨今の社会的な風潮を,「「恋愛教」は現代最強の宗教」と談じ,それによって虐げられている人々がいるということを示している点でした.

恋愛は誰にでも可能であり,さらにそれのできない者は不健全だというデマ.
そういった,恋愛は誰にでもできるという嘘が,恋愛のできない者を焦慮に追い立ててしまう.
一方的な方向に向いてしまう社会的な風潮は,それによって虐げられる人々を往々にして作り上げてしまうものです.しかし「恋愛」という私にとってもごく自然なものとして受け止めていたものでさえ,一方的な社会的な風潮の一部であり,その風潮が疑いもなく流布されていて,それによって虐げられている,いわゆる「恋愛弱者」という人々を作り出しているということをきちんと見つめないといけないなとこの本を読んで感じました.

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