ゲド戦記Ⅲ さいはての島へ

ゲド戦記 3 さいはての島へ (ソフトカバー版)
2006/岩波書店 ル=グウィン/清水真砂子訳





この巻は様々な点において,示唆に富んでいると思いました.
これまでに様々な経験を踏んできたゲドが,これから様々な経験を踏んでいこうとする若者・アレンに,折々に物事の道理と,その捉え方を示していきます.

だからといって大人・ゲドがすべてにおいて若者・アレンより秀でていて,すばらしいわけではありません.
大人と若者にはそれぞれに代え難い長所がありますね.その違いを,二人の男の最果てへの旅路を通して,この物語は読むものに実感させてくれます.

この違いは,この物語の核である「生」と「死」の対比のそれにも通じています.
奇しくもハイタカはこう言います.
「ろうそくのあかりが見たいなら,そのろうそくを暗いところに持っていかねば.」と.

これまでの旅と比べて,最も過酷なこの旅路の果てに得たものといえば,「息づく生命の輝きをいつくしむ心.」であると思います.

果たしてその心は,命を削ってまで得る価値のあるものであるのかどうか.
それを読むものに問いかけてくる物語であったと思います.



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