気象と農業生産

気象と農業生産
1986/養賢堂 坪井八十二



気象によって引き起こされる農業生産量の減少や食味の劣化などを,気象災害と呼び,この気象災害を防ぐために試みることが可能な数々の気象改良技術を著者の豊富な研究実績から綴っている専門書.

とくに本書では,戦後,北海道・東北地方で頻発した稲作の冷害被害を防ぐ方法に大きなウエイトを置いて,その基礎となる考え方から,対策の仕方などを記しています.それらはかなり実践的で,現在でも役に立つものが多いなと感じました.

本書が書かれた当時(70~80年代)は,地球は寒冷化していくと考えられていて,それに伴う農業被害をどう防ぐかを真剣に議論していたとされています.
20年以上経って,それは全く逆の方向になり,現在は,地球が温暖化していく中での対策を考えているわけですが,それは寒冷化対策が完了したから方向性が変わったわけではなく,世の中の見解が変わったから研究の方向性も変化しているところに,一抹の不安のようなものを読みながら感じました.この方向性の劇的な転換を,あのころはよくわかっていなかったからと一蹴してしまっていいものかどうか・・・.

とにかくしっかりと書かれているので,ちょっと古いですが,農業と気象との関わりをしっかり学びたい学生さんは,一読することをお薦めします.





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