サイエンスコミュニケーション






科学者が一般の人にわかりやすく科学を伝えるのは,案外難しいものです.昨今多くの科学者がTVなどで解説していたりします.とくに地球温暖化や脳科学がクローズアップされ,科学者が多く登場していますが,一般の人まで情報がきちんと届いているものは案外少ないように感じています.

本書の冒頭にもそのことに言及し,その大きな原因を
「一般に人は,知りたいことしか求めませんし,理解しないからです.」
と言っています.では,どのようにして一般の人に「知りたい」と思わせるのか.

伝える方法は,文章によって伝える,プレゼンテーションに依って伝えるなどいろいろです.
本書は章ごとに,異なる著者によって記述されているので,概論,具体的なスキルの照会,事例報告などが記載されています,なんと外部資金導入スキルなんかも!?.だから,想定されている読者層が誰なのか,いまいちつかめないのですが,それでも私たち科学者にとって役に立つ章がいくつかありました.

例えば,「効果的なサイエンスコミュニケーションをめざして-伝えるための技術-」や,藤原正彦さんによる「サイエンスライティング-講義と講評」や「ストーリーの立て方・専門用語の取り回し」などです.とくに専門用語の取り回し方の解説などは,極少量しか解説されてませんでしたが,それでも目からウロコでした.

一見関係が薄いように見える「科学的探求能力育成スキル」に関する章なんかも,読み進めると意外にも今後講義に取り入れると効果的なんじゃないあと思えるものが,細かく事例として記載されていました.
とくにグループワークを通じて,授業の中でいかに科学的な考え方を身につけさせるかの取り組みなどは,ぜひとも私の講義の中で使ってみたい内容です.

私も最近,高校生や一般の方に自分の研究成果を伝える機会が多くなってきました.自分ではわかりやすくかみ砕いて説明しているつもりでも,聴衆にはまだまだ難しいと感じることが多いようです.ですから,より理解できる形で研究成果を伝えるための方法とその糸口をつかむための,思いの外役に立つ本だったと思います.


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