「大発見」の思考法


「大発見」の思考法 (文春新書)
文藝春秋
山中 伸弥


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ノーベル物理学賞を受賞した益川氏とiPS細胞を発見した山中氏の対談をまとめたものです.
対談ものの多くはとりとめが無くて,お互いを褒め合って,なんとなく終わるものが多いので,なるべく手に取らないようにしてるのですが,この本は科学者通しの話でも合ってか参考になる部分が多々あったので,合格点でした.

いくつか印象的な話が出てきました.
たとえば,科学者にとっての思考に関するくだりで山中氏がこんなことを言っています.
「最近の傾向なのですが,若い研究者には,実験キットに日々振り回されることに戸惑いを感じている人が少なくないようです.今の科学実験は,キットのA液とB液を混ぜて結果を出すというように,キットに頼る部分が大きいですし,結果を出すために機械をいかにうまく使いこなすか,ということも問われます.もちろん便利ではありますが,本人は「これでは創意工夫する余地がない」と感じる.科学の夢が,目の前の機械や技術を使いこなすことにすり替わってしまったような気がして,ある種の失望感を感じることもあるようです.

(中略)

でも,そこで自分のオリジナリティな思考ができなくなってしまうと悲観してはいけないと思うんです.

(中略)

今,どういうクエスチョンが大切なのか.
そのクエスチョンに答えを出すには,どういう実験をすべきか.そして,その結果をどう解釈するか.こういうことが私たちにできる仕事だと思っています.受身で動くのではなく,自分自身で「問い」を立てる力がこれからますます必要になってくるのではないでしょうか.」



もうひとつプレゼンに関する話題も良かったです.

「科学者が成功するためには,良い実験をすることだけでなく,いかにしてその実験データをきちんと伝えるかという「プレゼンテーション力」にかかっている,というのが私の持論です.自分の持っているデータや研究成果をいかにして発信するかと言うことが大切なのです.」


ノーベル賞以来,益川氏の言葉は最近良く目にしますが,山中氏の言葉はiPS細胞に関わるもの以外はまだあまり目にしないので,新鮮で印象に残るものが多かったような気がします.




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