世界の測量

数々の数学的発見,磁場に関する発見をしたガウスと
南米を冒険し,オリノコ川の源流を突き止めると同時に,世界の植物地理の礎を築いたフンボルトの生涯を綴った小説です.

会話をすべて間接話法で記述しているので,最初ずいぶんと読みにくい感じがしました.
慣れればすらすら読めます.


両者とも天才であることは確かなのでしょうが,その傲慢さや人間味に欠けるところが何とも鼻持ちならなくて,
とくに,フンボルトの冒険のあたりは退屈でした.

小説の大部分を占める鼻持ちならない感じは,終盤になって雲行きがあやしくなります.
そして,ついにはフンボルトはこういいます.

「科学者の業績を過大評価してはならない.研究者は創造者ではありません.何も生み出さないし,土地を獲得するわけでも収穫を得るわけでもないのです.
種をまくわけでも刈り取るわけでもありません.あとにはもっと多くのことを知っている者が現れ,さらにそのあとには,それ以上のことを知っている者が
現れます.そしてすべては無に帰するのです」

もしかすると,華やかな名声の影に潜む,そういった科学者の傲慢さやむなしさをあぶりだすことが,この小説の狙いの一つなのかもしれません.





世界の測量 ガウスとフンボルトの物語
三修社
ダニエル・ケールマン


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