緑のダム

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緑のダム―森林・河川・水循環・防災
蔵治光一郎+保屋野初子 編
2004 築地書館


長良川河口堰・吉野川第十堰・川内川ダムそして長野県の脱ダム宣言.

川をとりまく環境問題(むしろ,公共事業問題?)がクローズアップされるとよく出てくるのがこの”緑のダム”という言葉.

昔に比べて洪水が増えたのは,山が荒れているせいだ・・・なんていうのはよく出てくるはなし.
山をきちんと手入れすれば,山(森林)が水を蓄えて,ダムのような役割を果たしてくれる.
そんな風によく言われるが本当にそうなのか?
本書では,さまざまな立場の人が,その問いに迫っている.

しかし,見えてくる答えは,二つの壁.
「緑のダム」に対する世の中の過剰な期待と,現実の狭間で森林水文学者達が苦悩する.
それでも,なんとか緑のダムと呼べるような働きを示してみせるものの,やはりそれにも限界はある.

必要なのは,山(森林)に「できること」,「できないこと」を現実としてとらえなければならないということ.
その上で,何を捨てて,何を残し,何を作っていくのかをそれぞれの場所で考えなければいけないということ.

それは,そこに住む人たち自身で考えなければならないこと.
そして,私たち学者は,わからないなりにその問いに答える努力をしていくこと.

当たり前のことだけど,そういうことの大切さを確認させられた本でした.

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