食卓の安全学

食卓の安全学―「食品報道」のウソを見破る
2005/家の光協会
松永和紀


をキーワードとしたメディア・リテラシー論といっていい本.

世の中に浸透している

「昔からある食品=自然=善」VS「科学技術=人工的=悪」

というイメージによって,作られるさまざまな食にまつわるいかがわしい話を,どういかがわしいのかを示しながら紹介している.
たとえば,無農薬・有機農業,遺伝子組み換え作物,BSE騒動,環境ホルモンなどなど.

こういった情報をマスメディアに頼り切ってしまうことの危うさを,著者自らも新聞記者として記事を書いていた経験から,説いている.

・新聞記者は必ずしも事情に精通しているわけではないこと.
・センセーショナルな内容が優先されること.
・実は一貫した判断や姿勢は求められていないこと.
などなど.

またこういうものを助長する要素として
・「一部」のナンチャッテ学者の暗躍
・「悪いニュース」を報道することが「いいニュース」であるとされてしまう感覚.
などをあげている.

とくにナンチャッテ学者のくだりは私自身も肝に銘じなければならないものとして,熟読した.
昨今,研究者の業績が求められる中で,積極的な社会貢献が期待されている.

メディアに登場することで,社会的貢献として評価される時代.
名前が売れれば,企業などに注目してもらえ,共同研究のチャンスもでてくる.
研究費も獲得しやすくなる.
だからといって,仮説段階のものを公表していいわけではない.科学的態度を崩して言い訳ではない.

食の健康・安全情報の裏側には,多くの発信源としての科学者がいるはずである.
人間としての欲望と科学者としての態度をきちんとわけて考えていかなければならないことを思い知らされた感じがする.







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  • 松永和紀「 『食品報道』のウソを見破る 食卓の安全学 」(家の光協会)

    Excerpt: 松永和紀「 『食品報道』のウソを見破る 食卓の安全学 」(家の光協会) みのもんたとかかりつけのお医者さんとどっちを信じるの? BSEで死ぬ心配するより、交通事故で死ぬ心配する方が大事。 天然の毒物.. Weblog: ポロと旅する(兼SSあさちゃん。のいろいろ日記) racked: 2005-09-26 08:35