スピリチュアルにハマる人,ハマらない人

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人
2006/幻冬舎新書 香山リカ




まず内容云々の前に,新書でこのような本を出した香山リカの,時代の臭気をかぎ分ける能力の高さと,その対象の大きさなどに臆することなく果敢に批判しようとする精神の強さに素直に感心していまいました.

さて,みんながスピリチュアルにハマっているように見えるこの時制,私の同業者たる科学者達の幾人か,とくに若手の科学者たちもがこの波にのまれています.
この状況を私自身一科学者として,好ましくないものだなと感じながらも,「たとえ科学的には偽でも,人々の心を豊かにするならいいではないか」,「目に見えるもの,科学で証明されたものしか信じないのは,心が狭い証拠だ」という風潮の前に臆してしまっています.

この本では,そういった風潮を作り上げているものは,一見哲学的な思想のようでいて,実は圧倒的な「自己中心主義」であり,「現世」中心主義であることを,あるスピリチュアルのカリスマが世に受け入れられる過程を通して浮かび上がらせています.
その主張は単純でわかりやすい.でも残念なのはそういった意識を産み出した社会的な背景といった側面があまり語られていないこと.

この風潮が直感的に悪いモノだと感じてはいるが「悪い」と断定できず,その解決策云々もないあたりに香山氏も私同様この状況に動揺しているのではないのかなと感じました.

本書が読みやすい「新書」として世に広く出された事による今後の世間の反応が気になります.すこし注意して見守ってみたいと感じました.




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