黒山もこもこ,抜けたら荒野





変な題名ですが,世代論です.
しかも私とほぼ同じ年代.景気が個人の人生に大きな影響を及ぼすと言うことを思い知らされたデフレ世代.
親世代が語る昔の夢物語と,先輩世代が語るバブル期のふわふわ感に淡い期待を抱いたものの現実の社会は,まったくもって話とは違っていて,困難の連続.
そんな間隔を,本書の著者はものの見事な身体感覚を持って語っています.
日々感じていた違和感を丁寧に記述していく本書を読んでいくと,現代の日本社会の抱える奇妙さが鮮明に見えてきます.

たとえば,かつての日本企業の賃金体系については・・・
「「家族賃金」とは,言い換えれば「家族のうち一家の大黒柱であるオトーサンさえ厚遇しておけば,あとは補助的収入であるからパートのオカーサンもハケンのオネーサンもフリーターのオニーサンも給料は安くていい」という共通了解を生み,結果として「オトーサンの懐を当てにした」給与体系となる.」
とか,他にも,
「子どもをもったくらいであっけなく崩壊してしまう「豊かさ」なんて,本当の人生の豊かさといえるのだろうか?」や
世代間闘争については,「人間は基本的に自分の個人史を基準にものを考えてしまう傾向があるからである.」など.かなり刃切れがよい.

日々なんとなく感じる日本社会の違和感を,とてもうまく表現していくこの本は私にとって,いままででもっとも印象に残る世代論です.


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