リトル・ピープルの時代

なんとなくは感じていたけれども、はっきりと言葉によって表しきれない時代感覚の変化を村上春樹の小説と、ウルトラマン・仮面ライダーのヒーロー像によって浮き彫りにしていくとても興味深い本でした。

ウルトラマンが代表する宇宙からやってきたヒーローがいま、なぜうけいれられないのか。
変わって登場した平成仮面ライダーたちは、どうしていまヒットするのか。
そして、なによりヒーロー番組の作り手達は、「時代」の中にヒーローを生み出すために、こんなにも試行錯誤していたのかと、驚きを持って気づかされました。

題材を変えながら本書で繰り返されるのは、「グローバル/ネットワーク化でひとつにつなげられた世界にそもそも外部は存在しない。」こと。そのことをなんとなく感じ取っている私たちは、「自己目的化したコミュニケーション」を繰り返している。「世界はもはや革命では変化しない。この世界を受け入れ、徹底して内在し、ハッキングすることでしか更新されない。」それを無自覚に理解している。そんな世界で私たちは、「ひとつの大きな盤上にまったく異なる価値観をもつ無数の人々(小さな「父」たち)が渦巻く世界における自由と平等とは何かを追求」していくしかない。

世の中を見るひとつ新しい視点を手に入れた気がする本でした。



リトル・ピープルの時代
幻冬舎
宇野 常寛


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